これまでに経験したことのない程の巨大台風が近づいています…近畿は上陸しないようですが、警戒は必要なようです。皆様お気をつけください🙏

　嵐と聞いて思いつくピアノの名曲があります。
リストのバラード第2番という、リストが作曲した作品の中でも最高傑作の一つに挙げられる曲です。
これは、ギリシャ神話のヘーローとレアンドロスの悲劇物語からインスピレーションを得て作曲されたとされています。

　その物語の内容は…
　昔々、美しい娘ヘーローと青年レアンドロスがいました。青年レアンドロスは、娘ヘーローと恋に落ち、彼女に会うために毎晩海を泳いで対岸に渡る日々が続きました。
　娘ヘーローは、青年レアンドロスが暗い夜の海で行先を見失わないように、いつも塔の上に明かりを灯していたのですが、ある嵐の晩、強風に煽られて灯は消えてしまい、行先を見失ったレアンドロスはついに溺死してしまいます。翌朝、亡骸として海岸に横たわっていたレアンドロスを見つけたヘーローもまた、絶望し、自らの命を絶ってしまう…
という悲劇の物語です。

　リストのバラード第2番の冒頭はまさに嵐の波のうねりを感じさせる幕開けです。
この物語は悲劇で閉じますが、この曲の最後はまるで2人の愛が天国で結ばれたことを表現するかのように、とても美しい旋律が流れ、長調のハーモニーで終わります…

　素晴らしい名曲ですので、是非皆様も一度聴いてみてください。